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アルフヘイム大陸





 地図が無くては戦争はできない。
 正確な測量に基づいた地図は軍事機密にあたる。
 これは我が甲皇軍側が入手した情報に基づいて作成された地図である。
 亜人どものの巣穴はアルフヘイム大陸の至る所にあると思われ、全容は明らかになっていない。
 未だ我が軍が未開拓となっている地域の情報を入手した者は、まずは最寄りの甲皇軍基地へ報告に来るべし。
 情報の重要度を審査し、報奨金として最大10万VIPを支払うものなり。





 明らかになっている事柄
・赤道直下の元ピーターシルヴァニアン王国領域は熱帯雨林性気候であり、進軍に厄介な密林が群生している。
・その南方にある元フローリア王国領域は温暖湿潤性気候であり、農業に適している。
・ホタル谷周辺の高地は寒暖差が激しく、亜寒帯性気候となっている。
・我が甲皇軍西方戦線の要塞群の周辺にあるナルヴィア大河は、アリューザ・ボルニア・フローリアへと支流が伸びている。
 この河川周辺領域での進軍は困難を極めることが予想される。
・亜人どもの巣穴の本拠地たるセントヴェリアには世界樹と呼ばれる巨大精霊樹があるものと思われる。
・フローリアより更に下流へ向かった東方にはサーペント港があり、アルフヘイムとSHWとの交易が盛んである。
 このサーペントに、SHWからの傭兵軍が上陸してアルフヘイムに与している疑いが強い。





甲皇国空軍に所属する飛行船。戦争中、無差別爆撃でアルフヘイム中の都市を焼き払った。別名「スカイフォートレス」(空の要塞)。
 甲皇国空軍指揮官ゼット伯爵の空中艦隊ドクトリンに基づいてアルフヘイム戦争中に設計されたZB-17級から連なる重武装戦闘飛行船シリーズの完成形とされる。数十年をかけて開発・建造されたこの一連の戦闘飛行船群は、アルフヘイム軍の防御を高高度から突破して敵の都市を直接爆撃し、敵国を一挙に降伏に追い込むことを主眼としており、一回の戦闘のみならず一国の戦略に影響を与えるものとして「戦略飛行船」の名を冠されている。強化された浮力嚢と長大な船体によって大量の爆弾を搭載できる浮力を持つだけでなく、高高度を高速で飛行できる巨大なプロペラや羽ばたき翼を備え、さらに多数の対空砲や、高性能爆撃照準器を装備していた。
 70年にわたるアルフヘイム戦争のさなか、大量のクラスター火炎弾や建造物破壊用重爆弾、汎用炸裂弾等をアルフヘイム大陸全土の都市に投下して大火災を引き起こし、さらに物資の輸送を阻止するため運河や港に浮遊式爆弾石を投下するのにも使用され、アルフヘイムのみならずスーパーハローワーク商業連合をも物資不足に陥らせた。だが、当初の目的であったアルフヘイムの早期降伏は達成されなかった。大口径装甲貫徹爆弾(通称ケーブバスター(洞窟崩し))にさえ耐える強力な魔法によって堅固に防御された王宮や要塞都市は被害を免れ、甲皇国と異なり工業化されていないためにその破壊によって継戦能力を失うような産業や交通の中心地も存在せず、各部族に束ねられたアルフヘイム民はパニックに陥って逃げだすこともなく破壊された都市もすぐに復興し、いたずらに反甲皇国感情を広めたのみで終わったからである。しかし、数年にわたる一連の爆撃作戦でアルフヘイムの人口は減少し、生活環境は百年前の水準に落ちたとされる。これによってアルフヘイム戦争の当初の数十年間、海空において組織だった防戦を行ったアルフヘイム正規軍は兵站の基盤を失って弱体化し、爆撃に続く甲皇国陸軍による本格的な侵攻に対応しきれなかった一因になった。
 一方で甲皇国空軍側の損害も少なくなく、アルフヘイム空軍による迎撃や、空中・地上からの魔法攻撃により多数が撃墜・損傷、全乗組員の半数が死傷し、その平均寿命は数週間とも言われた。アルフヘイム本土への侵攻後も、低空で地上部隊の支援を行う際に多数が撃墜され、さらに和平後の協定で保有数が削減されたことにより、甲皇国空軍空中艦隊は実質的に崩壊した。しかし甲皇国本土には未だに一都市を壊滅しうる数の戦略飛行船が残っており、状況によってはミシュガルドに対しても爆撃を行える状態にあると言われている。















オーボカ装置は甲皇国空軍の飛行船に搭載されている夜間爆撃用航法装置である。
 夜間に爆撃を行えば、闇夜に紛れて防空体制をすり抜けられる可能性が高くなる。だが、迎撃を受けにくい一方、爆撃側も空から地形を見る事が出来ず、星や月から現在位置を求める天測航法などでは大まかな位置しかわからないため、目標となる町を発見できずに爆撃が完全に外れることが多かった。
 そこで開発されたのがこのオーボカ装置である。この装置は夜間でも正確に出撃した基地までの経路を記憶し、そこから現在地を逆算して爆撃目標となる町の上空まで飛行することが出来た。
 その中心となるのは培養液に浮かぶ人口的に複製・強化された甲皇国固有のハトの一種の脳であり、その帰巣本能を利用していると言われている。魔導細胞研究者(当時)のオーボカ・ター(第八登録所)の名を冠しているが、実際の開発者はゲコ博士(第三登録所)ともグリップ博士(第六登録所)ともされる。ハトは鳥目(とりめ、夜盲)であることから、暗視用にオウルアイ(梟の目)が接続されている。爆撃コース内を飛行すると「ポッ…ポッ…ポッ…」とハトの鳴き声のような音を発し、コースを逸れると「ユーアイ…ユーアイ…」と聞こえる警告音を発する機能も持つ。鳥頭であることから魔法等によりコースを忘れやすく妨害に弱いのが欠点である。

ロンド式爆撃照準器
 ZB-29が搭載する高性能爆撃照準器。一種の歯車式コンピューターと自動操縦装置を備え、地上の爆撃目標が照準器のセンターに入り続けるようダイヤルを回すだけで自動的に飛行船のコースや爆弾投下タイミングを修正し、最適な地点で爆弾を投下する機能を持つ。風の影響を受けやすかった従来の爆撃照準器から精度が大きく向上し、改良型では夜間爆撃能力も付与された。古代ミシュガルドの技術を応用したとも噂された複雑な設計は極秘とされ、墜落の際に秘密を漏らさぬよう自爆装置さえ用意されていた。その正確さは雲の上から地上の酒樽に石を投げ込めると言われていたが、性能を完全に発揮できた者は少なかったという。
開発者はロンド・ロンド(第五登録所)。

基本的な使用法
1.飛行船の速度や高度を入力し、地上のターゲットに照準をあわせ、歯車のクラッチを繋ぐと、照準が飛行船の現在の速度や高度で爆弾を投下した時の落下予想地点に向けて動く。同時に、爆弾投下までのカウントダウンが開始される。
しかし、この落下予想地点は飛行船のコースや入力した速度や高度の誤差により、ターゲットからずれて行く。

2.そこで、照準のズレを打ち消すようにダイヤルを回す。
左右方向調整ダイヤルを回すと、照準器が飛行船の操縦系統に介入し、コースを修正する。
前後方向調整ダイヤルを回すと、爆弾投下タイミングが変更され、速度や高度の誤差による落下地点の前後方向のズレを打ち消す。

3.以上の操作により照準器は最適な投下タイミングを算出し、カウントダウンがゼロにるまでに照準がターゲット上に静止するようダイヤルを調整すれば、カウントダウンがゼロになると同時に飛行船が最適な位置で爆弾を投下する。

※実際には照準器の安定装置や爆弾投下安全装置の操作等も含まれる。また、秘密保持と説明の簡便のためかなり省略や言い換えを行っている。
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